あふれる感情を     唇にのせて




『貴方が好きです』

ついに出してしまった、心の本音。
貴方はひどく驚いて、でも、少し笑って。

いつか、この旅が終わったら。
きっと、この旅が終わったら。
二人、一緒になろう。

と、誓った
貴方との約束。

もちろん、平和を願う気持ちはあるけれど。
貴方との約束が、こんなにも力を与えてくれたんだ。

けれど。

辛い旅で、何度も挫けそうになって。
それでも、貴方は慰めの言葉や口吻を一度もくれた事がなかった。

それが一番、心に堪えた。

あの時の約束は、きっと、その場しのぎだったんだろうなって、思った。


そして。
平和になって、みんなにいつもの日常が戻って。
僕も旅立つ前と変わらぬ生活を送り始めたある日の朝、
扉を開けると、貴方が立っていた事には本当に驚いたんだ。

『・・・どうしたらいいか、分からなかったんだ』

ぶっきらぼうに、拗ねたように。
顔を背けながら話す貴方の頬が、少し朱色に染まってて。
僕は思わず吹き出した。

『な、なんだよ?』

ううん。
何でもないよ。ごめんごめん。

幼い頃から、武道一筋。
出逢った時にルイーダで聞いた、貴方の言葉。

恋愛なんて、してる余裕もなかったはず。

『旅が終わってから、凄い剣幕で僧侶に怒られたんだ』

“好きな子を慰めるとか、何かできなかったわけ!?”

『ってさ。ごめんな。俺、よく分かんなくて。
どうしたらいいのか、ホント、分かんないんだよ』


悲しそうに眉をひそめる貴方に、あの時の記憶がよみがえる。

言葉はなかったけれど、気付いてたんだ。
貴方の視線に。

『――ねぇ、僕の事好きですか?。ちゃんと、好きでいてくれてましたか?』

僕が言ったからじゃなくて、貴方も、僕を好きだったんですか?。


すると、ムッとしたように唇を尖らせると、

『好きだからルイーダで俺が出たんだよ。他にも武道家は居たけど、他の奴らは殴って気絶させといた』

はい?

ちょっと胸を張って言い切る貴方が凄く子供っぽくて、思わず口が開いたままになってしまった。

それ、威張る事じゃないと思うな。


『だから、俺の方が先に好きだった』

そう言って、笑いながら腰に手を当ててまっすぐにこっちを見る。


ああ、どうしよう。
どうしよう。どうしよう。

これ以上好きになるなんてあり得ないと思っていたのに。

貴方がもっともっと好きになっちゃった。

強くて冷静で、格好良くて。

でも、すっごく子供な貴方が大好き。


『じゃあ、今はどうしたらいいか、分かりました?』

今度は僕が、意地悪っぽく聞いてみる。
すると、貴方はニヤリと笑って頷いた。


『頭で考えるのは得意じゃないからな、俺は。』

だから。


態度で示す事にした。



ドラクエ3:♂武道家&♂勇者。

うお〜っっっ!!、やってしまったよ!、やってしまいましたよ!!。
武x勇。
しかも、武道家描いた勢いでSSも書いてしまった…。
長くなったので凄い端折りました(笑)。
ちゃんとTextでUPしようかと考えたくらい(笑)。

ウチの武道家さんは超恋愛苦手の子供な感じです。
ちなみに僧侶に怒られたと書いてますが、♀僧侶です。
ルイーダで祝勝会でもして、酒が入った勢いで怒られたんでしょうね(笑)。