所有の痕




「片倉殿。某、お聞きしたい事があるのだが・・・」
「ん?、何だ?」
「先ほどの・・・その、あの、先ほど・・・い、致していた事でござるが・・・、」
「・・・?。情交の事か?」
「はっ、はははははは破廉恥でござるぞ!!」
「その破廉恥な事をしたのは誰だ?」
「うぐっ・・・。 そ、そのような事よりもお聞きしたい事があるのだ、片倉殿!!」
「だから何だ?」
「その、先ほど致していた最中の事でござるが・・・・チクチクと体が痛んだのでござる。
何事かと今、体を見てみたのでござるが・・・」
「チクチク?」
「そうでござる!。見てくだされ、片倉殿!!」
「・・・・それが、なんだ??」
「片倉殿は見えぬでござるのか!?。ホラ!、某の体にそこかしこと虫に喰われた後があるのでござる!!。
もしや片倉殿も喰われたのではないかと心配してるのでござるよ!!。急いで脱ぐでござる!!」
「ちょ、おい!!。真田っ!?」
 
 
「―――・・・・」
「…おい?」
「喰われていないでござるな…」
「まあ・・・、な」
「オカシイ・・・。某はこれほどまでに喰われておるのに…。
はっ!、も、もしや…何かの病!?」
「…違うだろ」
「そ、そのような事が何故言えるでござるか!!。
片倉殿は奥医ではないでござろう!?」
「あ〜、うるせぇな。分かるんだよ、俺が付けたんだから」
「なんと!!、そうでござったか!。
片倉殿が付けたのなら病では無いのでござるな!って何故このような事をっっ!?。
い、痛かったのでござるよ!?。一体何の恨みがあって――…っ!!」
「落ち着け。 そうだな、政宗様のお言葉で言うなら…」
「ま、政宗殿の名が何故此処で出てくるのでござる?」
「キスマークというものだな」
「…きすまあく?。何なのでござるか、それは…」
「何って言われてもなぁ…。そうだな、“所有痕”とでも言うべきかな?」
「しょ・・所有痕?」
「ああ、真田幸村はこの片倉小十郎の物だという証だな」
「……。」
「…おい?」
「……そっ…」
「そ?」
「そ、某も片倉殿にその“きすまあく”を付けたいでござる!!」
「…は?」
「片倉殿はこの 真田幸村の物だという証を付けたいでござる!。
…それとも片倉殿は幸村の物ではござらんか?」
 
 
などと、愛しい幸村に今にも泣きそうな顔でそう聞かれては嫌と言えるわけもなく。
 
(…こんなモン付けられて喜んでるなんざ…。
俺もまだまだ餓鬼だな…)
 
堅物(だったハズの)男、片倉小十郎はアッサリと承諾し、奥州に戻ってからも首筋に付けられたその痕が消えるまで……

眺めていたとか、いなかったとか。


戦国BASARA: 小十郎x幸村

TITLEでは初BASARAでございます。
そして何故か小十郎のみ(爆)。
小十郎は難しいですけど大好きです(*ノωノ)Vv。
いろはTITLEも早く完成させたいし、また頑張って描いていきます。