ちゃんと、きいてね。





〔さいごまで、ちゃんと、きいてね〕




〔さいごまで、ちゃんと、きいてね〕



思う様に動かない唇を何とか動かしながら、俺は旦那の瞳を見つめた。
旦那の身体や、唇はずっと震えていて。
それが何とも、頼りなくて。
俺は、両の手でその震えが治まる様にと、あやす様に旦那の手を包み込んだ。




ああ、やっと。
やっと、旦那に言う事が出来る。




今までずっと我慢してきたんだ。
今までずっと抑えてた。
でも今はもう、抑える必要も、我慢をする必要もないんだ。



「あのね、いっかいきりしか、いわないから、ちゃんと、きいてね」

そう言うと、旦那は聞き分けのない子供の様に頭を横に振った。

「だんな、おねがいだから、きいて?」

未だ力無く首を振る旦那に困ってしまうけど。
どうしても、言いたい事だから。

「あのね、ずっと、・・・ずっと、だんなのこと、すきだったよ」
「何で・・・っ! 何で今更そのような事を・・・・っ!!」



だって。
だって、俺様は真田忍隊の長だよ?。
言えるわけないじゃない。
主君に愛してるだなんて、言えるわけないじゃない。

だから、この想いを言う時は。

この時だと決めてたんだ。



「いやだ・・・、さすけぇ・・・」
「ごめんね、だんな・・・」

「さすけ・・・?、佐助っ!!」



――アンタが愛しくて、仕方がなかったよ――






俺の最後の言葉は、声にならなかったけれど。

俺の最期に、アンタが側にいてくれて




本当に、幸せだよ。







戦国BASARA:佐助→幸村

これってあれですかね、死にネタになっちゃうんですかね?。
死にネタ大嫌いなんですけど、結構描いてますね、私・・・;;。
スミマセン(;-`д´-)ゞ。
死にネタが苦手な方は、このあと佐助が奇跡の生還をしたという事にしてください(苦笑)。
それにしても、幸が可愛く描けませんでした・・・。




☆オマケ
原画サイズです。
相変わらずクソデカイですね・・・