![]()
|
めんどくせえ。
ああ、めんどくせえ。
ほんとにめんどくせえ。
『何もこんなところで見せつけ無くてもいいんじゃねえか』
と大声で言ってやりてえ所だけど。 今、口を挟めば自体はもっとややこしくなるのは目に見えている。
だから、俺は何も言わねえ。
「アンタはパッとしない上にとろくて鈍くさいし要領も悪い。
アカデミー教師なんて言ってるけど、それもきちんと勤まってないから受付で判を押すだけの仕事なんて任されてるんだよ」
「はい」
「ね、ホント分かってる?。
アンタが優れてるから任されてるわけ訳じゃないんだって」 「はい」
「そんなアンタを好きだって言うヤツは誰もいないんだよ?、俺だって仕方なく側に居てやってるんだしさ。
ホラ、俺って情に絆されやすいからさ。
だからそばに居てるんだって分かってる?」 「はい、重々承知してます」
「そ、分かってるんならいいけどさ。
・・・いいよ、もう行って。」 「はい。・・・失礼します」
ようやく解放されたイルカが上忍待機室から出て行くのを確認すると、俺はカカシの元へと足を進めた。
里には上忍は山程・・・は居ねえが、それでも居る事はいる。
なのに、イルカが此処に足を踏み入れた途端他の奴等は逃げるようにして此処から出て行った。
里が誇る上忍が、だ。 俺もその連中らと同じように出て行けばいいものの。
別にほっときゃ良いんだと分かってはいるものの、もはやその限度はとうに超していた。
もう何ヶ月、さっきと同じようなやり取りを上忍待機室-ここ-だけではなく、里中の至る所で見かけるのだから、たまったもんじゃねえ。
「・・・・おい、カカシ。」
「な〜に?」
俺の呼びかけに、さっきまでのカカシからは考えられない程の惚けた返事が返ってくる。
「あの言い方はねえんじゃねぇのか?。それにイルカは里の奴らに尊敬されているし愛されてもいる。仕事だって信頼されて――」
いるからこそ、掛け持ちという事になってるんだ。
と告げる事無く、俺の言葉はアッサリとカカシの声で遮られてしまった。
「分かってるよ、うるさいな。」
イルカの話になった途端にこの反応。
さっきまで惚けていたオマエは何処に行ったんだってんだ。
なんで、そこまでアイツに拘るんだ。 なんで、お前はイルカをそこまで憎むんだ。
そんな時、待機室の開け放した窓から声が入り込んだ。
「イルカ!!」
「おう、フジどうしたんだ?」
「おまえ・・・また、はたけ上忍に・・・」
「ははは。・・・いいんだ。本当だって事分かってるし、こんな俺の側に居てくれるはたけ上忍には十分なほど感謝してる。」
「イルカ・・・。そうだ!、景気づけに飲みに行こうぜ!な?、いいだろ?」
「・・・・ありがとう」
「誰?、アイツ。」 俺とカカシは窓からその声の主に視線を送った。
「確か新しく受付に配属されたやつだろ?。元アカデミーの教師だったって聞いたからイルカとは今も昔も同僚ってやつだな」
確か牙雅(キバマサ)って名前だったか?。と俺がカカシに返すと、“ふーん。”と、何とも興味の無さそうな声を出す。
「奴さんもイルカの良い所を分かってんだな」
イルカはオメエの思ってるような人間じゃない。ちゃんと仲間もいるんだ。
「・・・・・・そ。」
オレの呟きにカカシはいまだ視線を窓の外へ向けたまま、再び興味の無い声を出した。
死亡確認 忍ナンバー00XXXX
キバマサ フジ
「フジ!!。どうして・・・どうして・・・っ!?」
受付は戸惑いと混乱に満ちていた。
報告書を持って受付へと入った矢先、死亡確認された忍がいるとその報告書を持って他の忍がバタバタと入ってきた。
受付内は一瞬どよめき、そいつから渡された報告書を受け取ったイルカはと言うと、なんとその場で崩れ落ちた。
報告書を食い入るように見つめては、涙を流して“どうして?”と繰り返している。
それもそうだ。 木の葉の忍びが――・・・内勤の忍が。 里内で死んだんだから。 その時、不意に受け付けの隅に立っていた男に気付く。
そいつは泣き崩れるイルカを見つめ続け、やがて、フッと微かに笑って受付から出て行った。
その男に続いて俺も受付から足を遠ざける。
そして。
さっきまでイルカを見つめ続け、去る直前に笑った男を追いかけた。
「おい、てめえ・・・。」
「・・・なによ。」
声を掛けると、男は歩こそ止めたものの振り向こうともしねえ。
俺は咥えていた煙草のフィルターをぐっと噛んで、もう一度声を掛ける。
「てめえ・・・か?」
もしかしたら?、と思っただけだ。
確信はない。 何せ、昨日の今日だ。
そこまでコイツも狂ってるはずがない。 そう思っていたのに・・・・。
「――だったらナニ?」
全く悪びれる事もなく、ソイツは何でも無い事のようにアッサリと言葉を返してきた。
呆気にとられた俺は危うく咥えていた煙草を落としそうになる。
「なんで・・・・」
そして、ようやく絞り出した俺の言葉に、ようやく目の前の男は振り向き俺に視線を合わせた。
「アイツねぇ・・・、イルカ先生に言い寄ったみたいなんだよねぇ」
口調は軽いが、目は一切笑っていない。
それどころか、まるで、血に飢えた獣のように鋭かった。
「お前は仕事も出来て皆に好かれてるだの、信頼されてるだのさぁ・・・
あ、あとこれも言ってたっけ、オレはお前が好きだから、一緒に暮らそうとか」
そう言うと、“ホント、参るよねぇ〜?”などと呟きながらボリボリと自分の後頭部を掻いて俯く。
ふさけんな。
ふざけんじゃねえぞ、てめえ。
そう言ってやりたいが、今のコイツに歯向かうなんざ阿保以外の何者でもない。
「・・・・・それだけで・・か?」
俺はぐっと感情を押し殺して低くなった声でコイツに確認した。
「それだけでって、・・・・それがダメなんだよね。」
そう言って再び視線を上げた男の眼は・・・・完全に狂っていた。
「――カカシ」
「折角、ここまでイルカ先生の脳に植え込んだのにあの馬鹿それを消そうとしたんだよ?。ここまで入れ込むのに3ヶ月かかったのに。3ヶ月だよ、3ヶ月。」
「おめえは何がしてえんだっ!!」
耐えきれずに俺が叫ぶと、カカシの目がキュウと細い線のように縮まる。
ゾクリ・・・と俺の背筋に何かが走った。
「愚問だよ、アスマ。」
「――イルカは俺だけにすがって生きていればいい。
・・・・俺だけを見てればいいんだ。」
「・・・腐ってんな。」
ここまで狂ってんのなら、ここまで腐ってんのなら。
もう、どうしようもねえじゃねえか。
諦めと皮肉を込めて呟くと、カカシはようやくいつものように目を弓なりに細めて笑った。
「ふふふ、まあね。」
そう言うと、くるりと背を向けて何処かに行ってしまう。
その背中に、俺は溜息と共に煙を吐き出した。
ポトリと灰が落ちる。 ――いや、腐ってるってモンじゃねえか。
腐ってると言うより――
「可哀相な奴だよ…、テメエは…」
人の愛し方も知らねぇなんてよ。
ああ、ほんとに |

| NARUTO:カカシ→イルカ+アスマ ・・・・何でしょうかね、コレ。 キチガイカカシさんです。ハイ。 そしてお節介アスマさん視点の話。 どうでも良いですが、この絵、恐ろしいですね(笑)。 所要時間7分(爆)。 でも、こういう話だしちゃんと描かなくても良いかな・・・と思いまして。 キバマサさんは、昔UPしていたNARUTOのシムのオリジナルキャラでした。てへ。 やっぱ公式キャラは殺したくなかったので・・・。 |